経済と社会

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    読書という行為は、人間にとって欠かすことのできない、日常的な行為です。それ故、古くから読書に関する研究は多くなされてきました。その読書行為を、本を読む速度という視点からみると、一般の人は、一分間に500文字から600文字程度読むことができると言われています。しかし、同程度の理解を伴いながらも一分間に10000文字もの文章を読むことができる、いわゆる速読という方法も存在します。読書速度が格段に多くても理解が同程度という処理メカニズムの特異性は、人の認知行動の可能性を知るうえで非常に有意義なものであると考えられます。
    植田研究室では、このような速読を研究対象として、その認知的な処理メカニズムを解明することを目指しています。現在は、アイカメラと呼ばれる眼球運動を測定する機器を用いた速読者の眼球運動の特徴調査、近赤外光脳機能計測装置を用いた速読時の脳活動の記録、視覚的探索課題などを用いて速読者の視覚や注意に着目した実験、実際に理解が伴った読書であるかを調べる理解度テスト等の複数の手法を用いた多面的なアプローチを行っています。