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行動ファイナンス
近年激しい変動を経験している株式市場や外国為替市場では、市場参加者である人間の心理が価格に与える影響が注目され始めています。このような市場参加者の心理は、合理的な人間の存在のみを仮定する伝統的な経済理論では軽視されてきたものですが、行動ファイナンスという新しい学問分野では重視されています。植田研究室では、この行動ファイナンスに関する研究を、特に認知科学および知能情報学の側面から行っています。具体的には、相互につながったコンピュータ上で数十名程度の参加者同士が仮想的な外国為替や株式の取引を行う模擬市場実験を通じて、プロのディーラと素人投資家のリスクに対する考え方の違いや、情動が投資行動に与える影響を分析しています。さらには、このような見通しや心理バイアスにおいて異なる様々な市場参加者をコンピュータ上のエージェント(自律的なプログラム)として表現し、それらのエージェントに学習と相互作用を繰り返しながら取引を行わせることで、急激なレート変動などの創発現象が生じる原因を明らかにする人工市場実験を実施しています。
模擬市場実験で利用している取引システムのユーザ画面(上)
行動データを分析ツールにプロットした例(下)
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